肉体を作る上では、胎児の時には、母親の栄養状態が決め手となり、生まれた後には、赤ちゃんが何を摂取したかで決まります。米国の酵素・栄養生化学の教授:Dr.ママドウは、常日頃より、母乳で育てることの大切さを強調しています。赤ちゃんにとって、母乳から得られる栄養素は、育児用のミルクに比べると、遥かに栄養価も高く、授乳期間の長短が、後の免疫力にかなり影響を及ぼします。出産後の肉体的なエピジェネティックスを考えるうえで、母乳による栄養供給は、極めて重要です。授乳期間は、12カ月から18か月の継続が理想であるとされています。アメリカでは、子供のアレルギーや虚弱体質が、離乳期に関係しているということが言われています。
これを聞いて「しまった!」と思い、仮に早期離乳の心当たりがあったとしても、体質の改善は、決して遅いことはありません。エピジェネティックスの様々な要因を知ることで知識を得て、正しい選択をすることが、今後の治癒や改善を促すことが出来るからです。
まずは、食を見直して、出来る限り身体にとって良いと言われる食物の選択をしたいものです。
次に、精神的な活動は、好むと好まざるとに関わらず、外側から感覚器官(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を通してキャッチされたことが影響します。
特に幼少期では、脳波の状態を見ると、キャッチされた情報を素直に受け入れます。これについては、前回Vol.3(2月1日配信)で説明した通りです。
ここで少し、突っ込んで考えてください。外側からの情報が、正しいことであれば、「素直」に信じることは、大いに救われることになります。そうでなければ、間違った他者からの情報が、プログラムされてしまいます。大人の脳波は、ベータ波が主流であって、寝るとき以外は、概ね思考型に転じている実情です。つまるところ、自分の思考にそぐわない情報は、素直に受け入れることが出来ないという大人のメカニズムになります。
ただ素直になることの難しさがここにあります。
自分の思考がすべて正しければ、外側からの情報を吟味することが容易なのですが、これは、神業に近いのでないでしょうか。
では、この思考は、どこから来るのでしょうか?
これが、精神的エピジェネティックス(量子フィールド)の最大のテーマであり、ホリスティック栄養学の心身相関を突き詰める部分になります。
肉体形成のための栄養素の摂取とは違い、思考とは、それぞれが異なり、はっきりとはしないものです。思考自体の説明は出来ても、その思考に沿っている感情まで、他人が理解することが出来ません。「私は、トマトにリコペンという抗酸化物質があるので、体に良いから積極的に食べるようにしています」と伝えた時、人は確実に情報を共有することが出来ます。
しかしこれが、「うちの主人は、家では何もしないし、家のことは、何一つ手伝ってくれないから、毎日ストレスがたまるわ」と伝えても、確実に共有できる内容ではありません。
「・・・何もしない・・・何一つ手伝ってくれない・・・」というストレスの原因は、伝えた人の感じる内容であり、言葉として伝わった内容は、明らかに違います。ある人は、「家では、何もしないけど、外で稼いできてくれるから、感謝してるわ」と感じれば、同じストーリーでも、前者とは異なった感情になります。聞いた相手の許せる範囲が違うことと、相手のストレス状態が、自分と比較してどの程度なのか正確に共有できない所以です。
風邪をひいたら、ビタミンCを摂取しましょう。味覚には、亜鉛を・・・便秘には、食物繊維を・・・○○には、△△を・・・とはっきりアドバイスは出来ますが、ストレスについては、「ストレスを溜めないようにしてください」としか、専門家は言いません。
ここに専門家が、アドバイスする内容が抽象的になってしまう原因があります。心と体の連動性は、今や科学的でも否定することはできない時代です。
それを証明する時代から、心と体のバランスをどのようにするのかという具体的な方法を知る時代になりました。
鍵になることは、「思考」と「感情」の相関性についてです。
ホリスティックカレッジ・オブ・ジャパン
校長 竹内 進一郎